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FREE_002_07.GIF - 372BYTES 温泉分析書の読み方 FREE_002_07.GIF - 372BYTES

温泉の定義


温泉とは、

・温泉源から採取されるときの温度が25℃以上のもの、
・決められた19種類の物質のうち、いずれか一つが基準以上含まれるもの、

と定義されています。

19種類の物質とは、 
(1)陽イオン 含有量(/1kg) (2)陰イオン 含有量(/1kg)
 @リチウムイオン 1mg以上  Fフッ素イオン 2mg以上
 Aストロンチウムイオン 10mg以上  G臭素イオン 5mg以上
 Bバリウムイオン 5mg以上  Hヨウ素イオン 1mg以上
 C鉄(U)、鉄(V)イオン計  10mg以上  Iヒドロヒ酸イオン 1.3mg以上
 Dマンガン(U)イオン 10mg以上  J重炭酸ソーダ 340mg以上
 E水素イオン 1mg以上  K総硫黄※1 1mg以上
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
(3)遊離成分 (4)その他
 Lメタ亜ヒ酸 1mg以上  Oラドン 20(100億分の1キユリー単位)以上
 Mメタホウ酸 5mg以上  Pラジウム塩 1億分の1mg以上
 Nメタケイ酸 50mg以上  Q遊離炭酸 250mg以上
 R溶存物質合計 1,000mg以上
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
 ※1 硫化水素イオンとチオ硫酸イオン、遊離硫化水素の合計



























このため、裏返せば、溶存物質が薄くとも、温かければ温泉であり、
逆に冷たいものでも、溶存物質が濃ければ、温泉と言うことができます。

温泉分析書とは


温泉に行ったら、一度は眼にしたことがあるかと思いますが、原則、必ず温泉施設なら掲示してあるものです。

これは、その温泉の身分証明書といったものです

難しそうに見えますが、これを見ると、いろいろなことがわかる便利なものですので、一度、見てみることをお勧めします。

 
  (中里温泉の温泉分析書)               (あったか山の温泉分析書)

全てを見ていたら、難しさから嫌になりがちですので、ポイントだけ・・・・      

源泉名 源泉の住所と井戸の名称が記載されています。
  時には、源泉が敷地内にない場合があるようで、引湯や中には運搬といったケースはここを
見れば判ります。複数の温泉旅館が集まる温泉郷では、多くの施設で共同で同じ源泉を使
ってる場合があり、その際は、ここで判ります。
 
湧水地における調査及び試験成績
 
泉温 源泉の温度。
この温度により、温泉の呼び名が異なります。
(冷鉱泉)<25℃≦(低温泉)<34℃≦(温泉)<42℃≦(高温泉)
この温度が適温以下の場合、殆どが加温しているし、高温泉の場合は、加水しているケース
が多ようで、加温、加水の方法によって、その施設の温泉に対する考え方が伺えるようです。
 
湧出量 毎分何リットル湧き出ているか。( )で湯の汲み上げ方法が記載。
湧出量が少なくては掛け流しの温泉や大浴場は維持できないので、循環設備を使ったり、必
要以上に加水したりしている可能性が強いようです。また、動力揚湯よりも自然湧出の方が、
マニアには貴重がられているようです。
 
pH値 水素イオン濃度による分類です。
この値により温泉の呼び名が異なります。
(酸性)<3≦(弱酸性)<6≦(中性)<7.5
                         7.5≦(弱アルカリ性)<8.5≦(アルカリ性)<10≦(強アルカリ性)
 
試料1kg中の成分、分量及び組成
  陽・陰イオン 温泉の各成分を表示しています。
ここで最も多いものがその温泉の主成分となり、20%以上占めるものが副成分と呼ばれま
す。主に多いのが、陽(+)イオンでは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムの4種類、陰(-)
イオンでは、塩素、硫酸、炭酸水素の3種類。
それ以外は、微量成分となりますが、それら
が温泉に個性を持たせています。
   
成分の表示は温泉水1kgに対して、どの位含まれるかで、1000分の1g単位で表示されて
います。なかなか実感のわかない量ですが、市販の入浴剤が30gで主成分が20g、これを
400g程度の風呂に入れますので、その時の1gあたりは50mg/Lとなります。実際の温泉
で50mg/Lというのは、かなり薄めの温泉といえます。
 
溶存物質計 温泉水1Kg中に含まれているガス性のものを除いた物質の総量。
具体的には、陽イオンと陰イオンと非解離物質の合計数値となります。
温泉の条件として、泉温が25℃以下、含有物質がそれぞれ規定に満たなくとも、この数値が
1000mg(1g)を超えると温泉と認定されます。
 
この量(=濃度)により、入浴時の体への浸透圧が異なるため、温泉の呼び名が異なります。
(低張性)<8g≦(等張性)<10g≦(高張性)
泉質 温泉治療の目的として一定条件をクリアしたものを療養泉として区分され、泉質名がつけられる。
1978年に法改正で新しい名称が用いられるようになったが、古い名称の方がなじみがあるため、
併記されている。


掲示用
新泉質名
新泉質名 旧泉質名
・・・ ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
単純温泉
単純温泉
単純温泉 単純温泉
アルカリ性単純温泉(pH<8.5)
・・・ ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
塩類泉
塩化物泉
Na−塩化物泉 食塩泉
Na・Ca−塩化物泉
Na−炭酸水素塩泉 重曹泉
Na−塩化物・炭酸水素塩泉 含重曹−食塩泉
Ca(・Mg)−炭酸水素塩泉 重炭酸土類泉
Na−塩化物・硫酸塩泉 含芒硝−食塩泉
Ca・Na−塩化物・硫酸塩泉 含石膏−食塩泉
Na・Ca−塩化物・炭酸水素塩泉 含土類−食塩泉
炭酸水素塩泉
Ca・Na−炭酸水素塩・塩化物泉 含食塩−重炭酸土類泉
Ca・Na−炭酸水素塩・硫酸塩泉 含芒硝−重炭酸土類泉
Na・Ca−炭酸水素塩泉 含土類−重曹泉
硫酸塩泉
Na-硫酸塩泉 芒硝泉
Ca-硫酸塩泉 石膏泉
Mg−硫酸塩泉 正苦味泉
Ca・Na−硫酸塩泉 含芒硝−石膏泉
Na-硫酸塩・塩化物泉 含食塩−芒硝泉
・・・ ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
特殊成分を含む療養泉
二酸化炭素泉
単純二酸化炭素泉 炭酸泉
含鉄泉
鉄(U)-炭酸水素塩泉 炭酸鉄泉
酸性-鉄(U)-硫酸塩泉 酸性緑礬泉
含アルミニウム泉
Al−硫酸塩泉 緑礬泉
Al,鉄(U)-硫酸塩泉
含鉄(U)-Al-硫酸塩泉など
含明礬・緑礬泉など
酸性泉
単純酸性泉 酸性泉
硫黄泉
単純硫黄泉 単純硫黄泉
含硫黄-Na-塩化物・炭酸水素塩泉 含食塩重曹-硫黄泉
単純硫黄泉(硫化水素型) 単純硫化水素泉
酸性-含硫黄(Na)-硫酸塩泉(硫化水素型) 酸性硫化水素泉
放射能泉 放射能泉
単純放射能泉
単純弱放射能泉

分析日時
・・・・・・・・ あまり気に留めないものですが、温泉の成分は変化することもあります。
そのため、この日付の新しいものの方が、現実に近いものと思われます。

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